このブログを開いたあなたは、腰痛を最速最短で治そうとしてクリックしたかもしれません。
しかし腰痛は複雑で「これだけをやれば治る」なんてものは存在しないと考えます。もし、そんな運動が存在するならば私たちの仕事は必要ありません。
しかし腰痛の方に運動を処方することは有効なことは確かです。
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エクササイズが腰痛に対する有効性
Searle et al.(2015)によるメタアナリシスは、筋力トレーニング、協調性、安定化運動は慢性腰痛患者の痛みを軽減するのに有効でした。
Marshallら(2013)による研究では慢性腰痛患者にピラティスを行ったグループとエアロバイク運動グループを比較し8週間後にはピラティスを行ったグループが痛みと障害スコアが低かったが、長期的な6か月後には同等に改善しました。
Shnaydermann et al.(2013)による研究では、慢性腰痛患者にウォーキンググループと体幹筋力トレーニンググループに分け、効果判定を行いました。6週間後、両群とも慢性腰痛改善に効果的であると結論づけました。
Luomajoki et al. (2018)、非特異的腰痛患者に運動制御エクササイズの有効性を評価しました。運動制御エクササイズは他の介入群と比較して痛みは、障害の程度を改善することを報告しました。
Coulombe (2017)は、体幹(コア)エクササイズと一般的な運動の効果を比較した研究では、短期的にはコアエクササイズが痛みの減少と機能改善効果を示しましたが、中長期的には両者とも同等の効果が得られました。
一体、何が言いたいの?
恐らく探せば効果がある運動はたくさん見つかるはずです。
何もしないより何かした方がいいということが言えるかもしれません。
研究からわかっていることのひとつに、腰痛患者は動きの多様性が低下していることが多いということがあります。そのため、さまざまな運動方法を使うことが、動きの多様性を高める一つの方法かもしれません。
処方したトレーニングが、脳内の痛みを軽減する物質を放出したのか、運動に対する恐怖心が減ったのか、自信がついた心理社会的要因なのか…何が一番効果があったかを判定するのは難しいことです。
「非特異的」であるということ
腰痛の多くを占める「非特異的腰痛」の場合、原因不明なことが多く、構造に特化したアプローチよりも一般的なエクササイズも有効となります。そして姿勢や作業環境、ストレスや睡眠状況、自己効力感向上などもアプローチとして必要となってきます。
しかし「アキレス腱炎」のような特異的な疾患の場合はその構造にアプローチが必要になることがあります。
バランスの取れた食事のように非特異的腰痛の人に最適なNo1エクササイズがない理由は、人によって最適なビタミン量が違うからです。この運動を通してどんな効果を得るのかを理解し、アプローチすることです。
人を診ること
研究で示されているように運動は効果があります。これは平均的な結果であり、目に前のクライアントにあてはまるかはわかりません。人によって最適なビタミン量が違うように痛みの程度や、運動に対する反応、体力レベルを考慮し運動プログラムをたてなければなりません。
クライアントに耳を傾け、どのビタミンが足りていないのかを評価し、適切なエクササイズを提供しなければなりません。
日常生活から運動歴まで聴取し、何が一番足りていないビタミンかを評価することが大切です。
まとめ
・腰痛に絶対効くNo1エクササイズは存在しません。
・しかし「運動する」ことは効果はあるようです。
・人によってどのビタミンが足りないのかを評価し、提供しなければなりません。
・それは「人を診る」ことが重要になってきます。
免責事項
このブログは、最新の研究やエビデンスを紹介するものであり、医学的なアドバイスや診断を提供するものではありません。腰痛や疾患がある方は専門家の助言を受けサポートを受けることをお勧めします。
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