筋肉を増やしながら脂肪を減らす(ボディリコンプ)は多くのトレーニーが目指す頂きです。理論的には、筋肉をつけるためにはカロリーを摂取し、脂肪を減らすためにはカロリーを減らさなければなりません。しかし、これらの目標は互いに相反するものです。脂肪を減らすためにはカロリー制限が必要であり、筋肉を増やすためにはカロリー摂取が必要だからです。ここでは基本的な流れをStep By Stepで紹介していきます。
この記事を書いた人
STEP1、目標を決めカロリー調整
ここではやせ型の人、そうでない人にわけカロリー摂取量を決定していきます。
やせ型の人(男性で体脂肪率8〜12%、女性で18〜22%)
主な目標は筋肉をつけることです。維持カロリーに対して5〜25%のカロリーを追加します。(体重維持カロリーが2000キロカロリーの場合、2100~2500キロカロリーを目安に摂取します)
あまり痩せていない場合(男性で体脂肪率15~20%以上、女性で25~30%以上)
主な目標は脂肪を減らすことです。この場合、維持カロリーから10~20%のカロリーを削減して、わずかにカロリー不足にします。(維持カロリーが2000キロカロリーの場合、1600~1800キロカロリーを目安に摂取します)
注意すべき点は500キロカロリー以上マイナスにすると筋肉量が落ちる可能性があります。(Murphy、2021) 筋肉量を維持し、体脂肪を落とす場合は大幅なカロリー制限には注意しましょう。
大幅なカロリー制限に注意し、自分の目標値に合わせてカロリー摂取量を決定してください。
タンパク質量を設定
まずは最も重要なタンパク質摂取量から始めてください。
大幅なカロリー不足は筋肉のタンパク質合成率を低下させます。(Pasiakos,2010) せっかく筋トレをしていてもカロリー不足でたんぱく質摂取が少なすぎると筋肉量が落ちてしまう可能性があります。
しかし、カロリー不足でもタンパク質量を十分量補っていれば、筋肉量は増え体脂肪が減少することがわかってきています。(Laymanら, 2005)(Longlandら,2016)(Mettlerら,2010)
まずは、体重1㎏あたり約1.7グラムのタンパク質摂取が理想的です。さらに向上させるには体重1㎏グラムあたり約2.2グラムのタンパク質摂取が推奨されます。
体重60㎏の人は102~132gのタンパク質摂取を心がけてください。
もっとも重要なタンパク質量から決定します。体重1㎏あたり約1.7グラムのタンパク質摂取量から始めるのが理想的です。
脂質と炭水化物
ここから脂肪と炭水化物量を決めていきます。
脂肪摂取量: 総カロリー摂取量の最低20%を脂肪から摂取します。例えば、1日の総カロリー摂取量が2000キロカロリーの場合、脂肪からのカロリーは400キロカロリー(2000キロカロリー × 0.20)となります。脂肪1グラムは約9キロカロリーなので、約44グラムの脂肪を摂取することになります。
炭水化物摂取量: 残りのカロリーを炭水化物から摂取します。例えば、1日の総カロリー摂取量が2000キロカロリーで、タンパク質と脂肪からのカロリーがすでに計算されている場合、残りのカロリーを炭水化物で補います。炭水化物1グラムは約4キロカロリーなので、必要な炭水化物量を計算します。
脂質は総カロリー摂取量の20%、残りを炭水化物から摂取してください。
これであなたが摂取するカロリー、マクロ栄養素が決定したことになります。
Step2、トレーニング方法
ここで詳細は割愛しますが、基本的な「漸進性過負荷の原則」に従って重量をあげてトレーニングを行っていきます。これは、トレーニング負荷を徐々に増加させて筋肉に新たな刺激を与える方法です。筋肉を成長させるためには、適切な回数・セット数(週に各部位あたり10~20セット程度)が必要です。また、適切なフォームでのエクササイズも意識してください。
こちらの記事もご覧ください↓
Step3、十分な睡眠
睡眠は体型を変える上で重要な要素です。同じカロリー制限をしていても睡眠を十分にとっているグループは脂肪量が減少したのにもかかわらず、睡眠不足になると筋肉量も減る事がわかりました。(Wangら,2018) これは週末に「寝だめ」をしてもダメなようです。毎日規則的な睡眠が筋肉を付け、脂肪を減らすひとつの手段だとわかります。
Step4,サプリメント
サプリメント単体では効果は発揮しませんが、筋肉をつけ体脂肪を落とすための補助ツールであることを理解しておいてください。まずはこの三つのサプリメントから始めてみてください。
プロテイン
タンパク質量を食事から十分量補えない場合、プロテインパウダーを取り入れましょう。ホエイプロテイン、カゼイン、ビーガンホエイなどあなたに合ったプロテインを選んでください。
クレアチン
クレアチンは最も研究されているサプリメントで、安価かつ副作用が少ないのが特徴です。1日3~5gのクレアチンの摂取が推奨されます。
カフェイン
運動とカフェインを組み合わせることは脂肪燃焼効果を高めます。(Kurobe,2015) しかし、耐性がつきやすく個人差もあるので激しいトレーニング時に限定して使用し、常用を避けるのがいいかもしれません。
まとめ
筋肉を増やしながら脂肪を減らす(ボディリコンプ)方法について解説しました。あなたにあったカロリー調整を行ってください。タンパク質の摂取も不可欠で、体脂肪率に応じて適切な量を設定します。脂質と炭水化物のバランスも大切で、総カロリー摂取量の最低20%を脂質から摂取し、残りを炭水化物から摂取します。トレーニングは漸進的過負荷の原則に従い、十分な睡眠をとることも重要です。プロテインやクレアチンなどのサプリメントを適切に使用することで、筋肉の成長をサポートします。これらのポイントを実践することで、筋肉を増やしながら脂肪を減らすことが可能です。
reference: