歩く、走る、跳ぶ──あらゆる動作において足は重要な役割を果たします。本記事では、足と足首の可動域、コントロール、筋力を向上させるエクササイズを紹介します。これらはリハビリからスポーツパフォーマンス向上まで幅広いニーズに応える内容です。
この記事を書いた人
足部の筋肉の基礎解剖学
エクササイズを始める前に、足と足首の基本的な解剖学について復習しましょう。足首、足部にある筋肉は主に3つの群に分かれます。
腓腹筋群
腓腹筋は、ふくらはぎの後面に位置する筋肉の総称です。主に腓腹筋とヒラメ筋に分かれます。

足外在筋
足首より上から起始し、足関節をまたいで足に付着する筋肉。主に長母趾伸筋や長母指屈筋があります。

足内在筋
足の内部で発生し、足の内部に停止する筋肉です。例として、親指を外転させる母趾外転筋があります。

足のアーチ
内側縦アーチ: 足の内側に沿って走り、後足部、中足部、前足部にまたがる。
外側縦アーチ: 足の外側に位置し、内側縦アーチと連携。
横アーチ: 足の片側から反対側まで走り、全体の安定性を提供。
これらのアーチは体重分散、衝撃吸収し、歩行、走行、跳躍時の推進力を提供します。(Hiteshkumarら,2022)

エクササイズの選択

エクササイズは、怪我や目標などの個々の要因に基づいて選択する必要があります。負荷に応じて、低強度から高強度までの連続体として分類できます。リハビリ段階からできる低強度からスポーツ復帰に向けた高強度トレーニングとご紹介していきます。
足趾エクササイズ(低~中強度)
ここではリハビリ段階から使用できる低強度の足趾エクササイズを紹介します。まずは足趾をあらゆる方向に動かしてみましょう。
指の屈伸運動
まずは靴や靴下を履かずにかかとを地面につけて座ります。積極的につま先を曲げたり、上に伸ばしたりします。できるだけ大きく動かすよう意識してください。
タオルギャザー
踵をつけ指を大きく開くようにし、足の指を使ってタオルを引き寄せるようにします。片足で10回行った後、もう一方の足でも同様に行います。これを1〜3セット繰り返します。
ボールスクイーズ
かかとを床に固定したまま、つま先すべてで小さなボールをつかみ、地面から持ち上げて数秒間保持してから、元の位置に戻して、これを繰り返します。
スプレッドアウト
かかとを床に固定したまま、指を広げ小指から一本ずつ地面につけていきます。
つま先ヨガ
かかとを床に固定したまま、親指だけをあげ他の4本の指は地面につけておきます。次は4本の指だけをあげ親指だけを地面につけておきます。これを交互に繰り返します。
足趾内転・外転エクササイズ
タオルやペンを使って足指を内側に引き寄せたり、足趾を広げる動作を行います。動きが小さいので難しく感じるかもしれませんが、根気よくつづけることも大事です。
ショートフットエクササイズ
座った状態で母趾の付け根をかかとに引き寄せるようにアーチを作ります。慣れたら立位や片足立ちに進み、スクワットなどの動作に組み込むことも可能です。
抵抗バンドを使った母趾屈曲
抵抗バンドを母趾に巻きつけ、ゆっくり屈曲しながらコントロールします。立位で行う場合は足を台の上に乗せると可動域を広げられます。
フットブリッジ
フットブリッジは、ショートフットエクササイズの応用として使用できます。踵と親指を高い表面に置き、前に少し傾きながら土踏まずの位置を維持するようにします。
さらに強度を上げて鍛えるエクササイズ(中~高強度)

ヒールレイズ
足首、指先を鍛えるエクササイズとして一番有名なのがヒールレイズです。まずは椅子に座って行うことができます。重りが無くても手で膝を上から押さえることで負荷を調整することができます。
立位でするときは両足から初め片脚、台に乗せて行うことで負荷をあげることができます。
バランス、固有感覚を鍛える
片脚で立ちバランスをとることも足首、足趾機能として重要です。片脚立ち練習やバランスエクササイズを取り入れバランスをとります。
ダンベルなどを左右に渡しバランスを崩さないようにします。
片脚立ち練習で親指の付け根に物を置き、実施すると感覚が増し安定することもあります。
足先の内在筋をより鍛える場合は踵に物を置くことで前足部の感覚を高め、内在筋をより働かせることができます。(Tourillon,2023)
プライオメトリックエクササイズ
プライオメトリクスエクササイズとは瞬発力を高めるためのジャンプ、ホップを取り入れたエクササイズです。このプライオメトリクスを取り入れるメリットは以下の通りです。
- ふくらはぎや足に効果的に刺激を与える
- ランニングやスポーツのパフォーマンス向上につながる
- 怪我のリスクを減らせる
(Smith,2023)(Yamauchi,2020)(Yuasa,2018)(Tourillon,2019)
特に垂直方向・前方方向の要素を含むエクササイズが重要な理由は以下の通りです。
- 足首は垂直ジャンプより水平ジャンプでより多く使われる
- 前方へのホッピングやジャンプはアキレス腱に大きな負荷をかける
- 水平方向の力の生成は加速と全力疾走の主要要素である
(Kotsifaki,2021)(Tourillon,2019)(Demangeot,2023)

リバウンドジャンプは効果的なエクササイズの一つで、両足で立った状態から足首とつま先だけを使って「できるだけ高く、できるだけ速く」ジャンプするもので、足の筋肉群とアキレス腱の強化に役立ちます。次にできるだけ高く飛ぶ垂直ジャンプ、前方へのジャンプへと進めていきます。
リバウンドジャンプ
両足でできるリバウンドジャンプに進み、足、足首の痛みが無いのを確認し高さをあげていきます。次のステップとして片脚もチャレンジします。
垂直ジャンプ
上にジャンプします。足首、膝、股関節を使い着地を行います。
足の痛みが無ければ片脚もチャレンジします。
水平ジャンプ
前方へのジャンプは足首強化エクササイズとして有効です。そして走行動作へとつながりますので段階を踏んで鍛えていきます。
足と足首の可動性をあげるエクササイズ

これまではトレーニングに重点を置いてきましたが、足、足首の可動性を向上させるエクササイズも必要な場合は取りいれて下さい。
リハビリテーションとパフォーマンス向上
足や足首の怪我後のリハビリテーション、アスリートのトレーニング、個人の足の健康目標のいずれであっても、段階的かつ慎重なアプローチが鍵となります。まだ怪我から復帰直後のリハビリ段階であれば左のエクササイズ中心に選択し、スプリント、スポーツ復帰を目指すなら右のようなエクササイズを選択する必要があります。低強度から高強度へ、そして個人の状況に応じて適切に進めることが重要です。

裸足で行うべきですか?靴を履いた方いいですか?
裸足で行うメリットは足の筋肉や感覚受容器に直接的な刺激を与えることができます。しかし、バランス運動は難易度が高くなる可能性があります。
一方、靴を履くことで、運動中の足を保護できます。また靴を履いた方が安定感がでる場合が多いです。
今、あなたが目指したいゴールや環境に合わせて選択してください。
まとめ
あなたの足は、すべての動きの基盤です。的確なエクササイズを継続的に実践することで、足の怪我からの復帰、怪我の予防、そしてスポーツパフォーマンス向上が可能になります。
今日から、足のエクササイズを取り入れリハビリからパフォーマンスupに向けてこれらのエクササイズを取りれて下さい。
reference:




