筋肉をつけるのにタンパク質が重要なのはわかるんやけど、情報が多すぎて何が本当なん?
筋肉を増やしたいと思っている人は多いと思いますが、そのためにはタンパク質の摂取が重要です。タンパク質は筋肉の合成に必要なアミノ酸の供給源です。適切な摂取量や質、タイミングが筋肉の成長に影響します。
しかし、タンパク質に関する情報は多くて混乱することはありませんか? この記事では、タンパク質に関する科学的な情報を分かりやすく解説していきます。
一般的な健康のためのタンパク質の推奨量
世界保健機関は、一般的な健康のためには、体重1キロあたり0.8グラムのタンパク質を摂ることを推奨しています。しかし、これはあくまで最低限の量であり、筋肉の成長をサポートするには不十分です。筋肉を増やしたい場合は、もっと多くのタンパク質を摂る必要があります。
健康的な成人が筋肉量を増やし、運動パフォーマンスを最大化するには1日に約1.2~1.6/Kgのタンパク質摂取が推奨されています。体重60Kgの人であれば1日に72g~96gのタンパク質摂取が推奨されています。
増量期、減量期のタンパク質の摂取量
筋肉を増やすためには、カロリーの摂取量やトレーニングの強度に応じて、タンパク質の摂取量を調整する必要があります。一般的には、以下のような目安があります
– 増量期: 体重1キロあたり1.6~2.2グラム
– 減量期: 体重1キロあたり1.8~2.7グラム
増量期=カロリーの摂取量を増やして筋肉を増やす期間のことです。
減量期=カロリーの摂取量を減らして脂肪を減らす期間のことです。
減量期、つまりダイエット中の方がタンパク質摂取は多く摂ることが推奨されています。
一回の食事で利用できるタンパク質の量
一回の食事でどれだけのタンパク質が筋肉の合成に利用できるのかという疑問もあると思います。以前は、一回の食事で20~25グラムのタンパク質が最適とされていましたが、最近の研究では、40~70グラムでも効果があると示されています。
つまり、一回の食事でのタンパク質の量はあまり重要ではなく、一日の総摂取量が十分であれば、好きなように分けて摂っても構いません。
タンパク質の質とロイシン、必須アミノ酸の重要性
タンパク質の質とは、タンパク質が含むアミノ酸の種類や量のことです。
アミノ酸には
体内で合成できない必須アミノ酸
体内で合成できない非必須アミノ酸
があります。必須アミノ酸は、食事から摂らなければなりません。必須アミノ酸の中でも、特にロイシンというアミノ酸が重要です。ロイシンは、筋肉の合成を引き起こすトリガーとなるアミノ酸と言われています。
タンパク質の質は、ロイシンや必須アミノ酸の含有量によって評価されます。一般的には、動物性のタンパク質は植物性のタンパク質よりも高いとされています。
しかし、食事全体で見れば、タンパク質の質はあまり重要ではありません。植物性のタンパク質を多く摂る人は、タンパク質の種類を多様にしたり、高品質のタンパク質サプリメントを利用したりすることで、十分なアミノ酸を摂ることができます。
トレーニング前後や就寝前のタンパク質のタイミング
タンパク質のタイミングとは、タンパク質を摂る時間帯のことです。タンパク質のタイミングが筋肉の成長に影響するという説もありますが、実際にはそうではありません。トレーニング前後のタンパク質は、トレーニング前後の食事が4~6時間以内であれば気にしなくてもよいとされています。
空腹でトレーニングした場合は、トレーニング後にすぐにタンパク質を摂ることが望ましいとされています。
就寝前のタンパク質は、夜間の筋肉の合成を高める効果があるとされていますが、一日の総摂取量が十分であればそれほど気にする必要はありません。
タンパク質の摂り過ぎによる健康への悪影響
タンパク質の摂り過ぎによって、腎臓や肝臓に負担がかかったり、骨粗しょう症になったりするという説もありますが、これらは科学的に根拠がないとされています。
健康な人には、タンパク質の摂り過ぎによる健康への悪影響はほとんどないとされています。
平均3.3g/kgの高タンパク質食を慢性的に摂取しても、腎臓や肝臓の機能に有害な影響を及ぼさないことが示されています。
健康で運動している人において、タンパク質の摂取量が増加しても健康上のリスクが生じることを示す科学的証拠は存在しないことが示唆されました。
まとめ
・まずは1日のタンパク質総摂取量を確認してください。筋肉を増やすためのタンパク質摂取はWHOが推奨する体重1キロあたり0.8グラムでは少ない可能性があり、1日に約1.2~1.6/Kgのタンパク質摂取が推奨されています。
・次に1日で摂取するタンパク質の配分量を決めます。一度に利用されるタンパク質量は最近の研究では、40~70グラムでも効果があると示されています。
・たんぱく質の品質を考えます。こだわるならば筋肉の合成を引き起こすトリガーとなるロイシンが重要。
・たんぱく質を摂るタイミングは、就寝前が筋肉の合成を高める可能性がある。
・健康成人においてタンパク質摂りすぎによる健康被害は科学的根拠は存在しないことが考えられます。
このピラミッドでは「1日の総摂取量」「配分量」で9割は完了すると考えられます。健康的な体作りを行っていきしょう!
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reference:
RDAを超えたタンパク質の「必要量」:健康の最適化への影響 – PubMed (nih.gov)
栄養素 |無料全文 |運動トレーニングに対する骨格筋の適応反応を改善するための睡眠前のタンパク質摂取 (mdpi.com)
国際スポーツ栄養学会 ポジションスタンド:タンパク質と運動 |国際スポーツ栄養学会誌 |全文 (biomedcentral.com)